鉄骨が飛んてきても動じない胆力ってすごすぎない?
能力者とはいえ普通ビビると思うんだ。鉄骨を斬れるから大丈夫だと認識してても通常の胆力じゃないね……。
さて。
今回は『内部進化』(アイデアル)の一室で前回、天井から才人工房内を俯瞰していたと思われる少女と帆風潤子(+幼女)が談笑している過去回想から始まります。
才人工房内のことをおおよそ把握しているその少女は帆風さんにミサキちゃん……食蜂操析のことを話します。特別な勉強をしているすごい子だと。
帆風さんは少女の口から間接的に恩人である食蜂さんの名前を知ります。帆風さんは食蜂さんの洗脳によって暴走する危険性はなくなったようです。
しかしまだ不安なのか、歳下の幼女がひっついてくると……
「は…離れなさい! わたくしの内なる破壊衝動が… あなたの身体を引き裂く前に!」
帆風さん……。
まるで中二病みたいな帆風さんを見て
「面白いなあ。潤子ちゃん」
と笑う少女。学習装置(テスタメント)が目のあたりまで被さっていて顔が隠れています。 幽霊ちゃんなのかはまだ断定できないですね。
部屋から出ると少女の専属研究員であろう女性からお礼を言われます。
あの子は同世代の子と話しをする機会がなかなかないから気分転換になっただろう、と。
帆風さんについてきていた幼女はその研究員にみさきちゃん……食蜂さんのことを不用意に聞いてしまいます。
それがどうも研究員の逆鱗に触れたらしく。
「…あなたたちが知る必要はないわ。こっちは忙しいの。余計なことは気にせず早く能力開発に戻りなさい」
と素気無く言われてしまいます。こわっ!
場面は変わって。
蜜蟻愛愉が能力開発の進捗表を見て表情が曇っています。どうやら能力開発が上手くいってない……というよりは蜜蟻さんの素質ではここまでが限界のようです。研究者たちは素養格付(パラメータリスト)でこれ以上は成長しないってわかってるけど、能力者本人はわからないから意味のないカリキュラムをやらされ続ける……いつかレベル5になれると信じて……。
アレだわ。超電磁砲本編の主人公の発言は振り返ってみるとかなりひどいね。何も知らなかったとはいえ。
まぁ彼女の場合は能力開発が上手くいくことがあらかじめわかってたから悪い研究者に悪用されたんだけどね……。
蜜蟻さんのどん詰まりの状況とは裏腹に弓箭入鹿はカリキュラムをこなすことで能力開発が着実に上手くいっているようです。
LEDライトのようなものが能力で強く発光したので喜んでいます。
それを見ている弓箭猟虎は「いいなあ。入鹿ちゃん…」と涙目。
自虐して落ち込む猟虎を入鹿は「だ…大丈夫だって! 今はちょっと上手くいってないだけだよ!」
と励まします。
ですが……猟虎は結局その後レベル1にすらなれなかったみたいだし……暗部落ちしたのはそこらへんの事情が関係してるのかな?
美しい姉妹愛に心打たれたのか、蜜蟻さんはくすっ、と笑って二人の頭に手を置いて「信じること」が能力の成長には大事なのだと言います。
「強く強く… 信じ込めば… きっと大丈夫よ…」
次ページ。会議室のような場所。
「彼女達が超能力者(レベル5)に至ることはない」
チクショー!
「『素養格付』では素質がある子もいるようですが…金と手間に見合わない」
金と時間をかければ一応レベル5に至る子もいるのか……まさか入鹿もその一人?
ただどうもこの『才人工房』第三研究室『内部進化』はレベル5を作るつもりはさらさらないらしく単に優秀な素体が欲しいだけらしい。
女性研究員が資料を見ています。カードサイズの『学習装置』。
『インディアン・ポーカー』は元々は『学習装置』だったのか……?
『内部進化』は被験者の脳が壊れてしまうような危険な実験を開始しようとしているようです。
「仮に壊れても俺たちの理想(アイデアル)に近づければそれでいい」
クズすぎない? 今更? あえて言う。
クズだわこいつら。
入鹿は研究者がレベル5を作るつもりがないことも知らずに毎日頑張ります。
帆風さんのようにいっぱい努力して!
帆風さんよりも成長して…!
いつか…超能力者(レベル5)に! きっと…!
過去回想が終わります。
物憂げな表情の入鹿。廃工場に置いてある鉄骨の上に座っています。
GPSで追ってきた帆風さんが廃工場の入り口に立っています。
帆風さんは廃工場の中を見回しますが親友こと謎のポニテ少女は廃工場内にはいないようです。入鹿とは別行動なのか……それともどこかに潜んでいるのか?
入鹿は食蜂さんの端末の電源が入っていたのに気づいており、あえて端末の電源を切らずに帆風さんを自分のいる廃工場の方に誘導したようです。
これで食蜂さんの行方は入鹿に直接聞くしかなくなりました。
「…なるほど。そういうことでしたら」
天衣装着(ランペイジドレス)発動!
「容赦はしません」
ぞくぞくと武者震いが止まらない入鹿。
帆風さんは入鹿に「貴女たちは『才人工房』の残党なのか」と問います。
食蜂さんだけではなく自分自身も狙っている以上思い当たる共通項は『才人工房』しかない。
でもそれ以上はわからない。行動が不可解すぎる。
入鹿は「…さあね」と一言。
「女王様を助けたいのでしょう? だったら早く始めましょう」
「この廃工場でしたら、誰の邪魔も入りません」
「さあ 死合いましょう 今度こそ 本気で…!」
戦いの火蓋が切って落とされました。
入鹿はレーザーポインターから強力な光線を放出します。帆風さんは入鹿に光線の射角から少しズレた位置からタックルのような低空姿勢で突っ込みます。
しかし光線は銃弾ではないので射角から逃げられようが真っ直ぐに突っ込んでくるなら返り討ちです。点ではなく線ですからね光線は。
と思ったら帆風さんは光線を口囃子さんから事前に渡された鞄で防ぎました。なんと中に入っていたのは鋼板。入鹿の能力を想定して用意していたようです。光線がもっと強力だったら鋼板が保ちませんでしたが、一度でも致命傷を防げればそれで十分。
そのまま突っ込んで入鹿は吹っ飛んで気絶……しませんでした。
突っ込む直前に帆風さんの背筋にぞくっと怖気が走ります。
鞄に入った鋼板が両断されました。間一髪のところで帆風さんは鞄を手放して横に飛んで避けます。
入鹿が手にしているのは軍用の懐中電灯。片手ではなく両手で持てるように柄を長くする改造が施されています。
懐中電灯の光線で鋼板を両断したようです。思いっきりラ⚪︎トセーバーじゃねコレ……。
飛び道具に近接武器。まるでスターウォー⚪︎みたいな武器を生み出す入鹿の能力は『波動操作』(ウェイブコンダクター)。
光や音と言った『波』を自在に操る能力です。
帆風さんはゲコ太ポーチを入鹿の音波攻撃で取られたこと(ゲコ太の恨みは海より深い)を思い出します。そして「…随分とできることの幅が増えたのですね。『内部進化』にいた頃より」と言いました。帆風さん、ちゃんと入鹿のこと覚えてたんだね…。
入鹿は一瞬呆気に取られた様子。その後とても嬉しそうな表情に変わります。
「見ていてくれたのですね。貴女はわたくしになど興味がないものとばかり」
そして帆風さんの能力を入鹿はよく知っています。間合いが取れる武器は素手格闘を基本とする帆風さんには相性が最悪。
「舐めてると死にますよ」
レーザー光線の連射。側転で帆風さんはそれを避けます。
帆風さんは体細胞の電気信号を操作して身体の各機能を向上させれる能力者なので、一応電撃使い(エレクトロマスター)に該当するみたいですが、外部への放電は不得手のようです。
よって光線に干渉はできない。回避の一手しかありません。
レーザーポインターは電池切れがあるはずなのでそれまで粘ればと帆風さんは考えましたが。
入鹿はブレザーをたくし上げてレーザーポインターのストックがまだ48時間分くらいあるのをわざわざ教えてくれました。粘っても無駄だと。
何気にヘソチラ……。
長引くと不利。体力がある内に仕掛ける!
長物には長物で!!!!
帆風さんは鉄骨を入鹿に向かってぶん投げました。すげぇ怪力。
入鹿は「豪快! 素敵です!」と目を輝かせます。怖くないのか?
飛んできた鉄骨を避けてレーザー光線を放ちますが鉄骨で防がれます。
横薙ぎに飛んでくる鉄骨。避けきれないと判断した入鹿は懐中電灯の光線剣で鉄骨を両断します。
直後、上に気配を感じた入鹿。
帆風さんがロードローラー……じゃなくて鉄骨を持って落ちてきます。
しかし鉄骨を入鹿に難なく避けられ、鉄骨の下の方を光線剣で斬られてバランスが崩れます。
鉄骨に捕まり落ちてきたところを横一線に斬られる寸前に帆風さんは鉄骨を蹴って倒立姿勢になり回避。
そのまま鉄骨から離脱して入鹿に拳で攻撃しますが、屈んで避けられます。
入鹿の光線剣の横薙ぎを飛び跳ねて避けます。
入鹿の剣での連撃を脅威の身体能力で避け続けます。いくら避けれるとはいえ剣の間合いでは攻めあぐねているようです。
せめて剣の持ち手と逆の方に移動しようとしますが、するとレーザー光線の連射。
ついにやられるかと思いきや。レーザーポインターが連射で焼き切れてしまいました。
帆風さんは今のピンチを切り抜けたことで二つの情報を知ります。
①レーザーポインター(レーザー光線)と懐中電灯(光線剣)は同時には扱えない
②レーザー光線の連射はレーザーポインターが焼き切れて壊れる
たったこれだけの情報で遠近両方の攻撃手段を持った敵を倒せるのか?
次回が気になるね……。